HOME > 金沢方式体験記8-1

main_top.png

金沢方式への感謝の気持ち K君のお母さん
卒業感想文集(2013年)

平成18年9月10日 我が子Kは、わが家にとって待望の長男として生まれました。出生時すぐには泣かず、ぐったりとした我が子Kを先生・スタッフの方が素早く処置して下さり、産声を聞いた時にはホッとしました。しかし、呼吸が速く経皮酸素濃度が上がらなかったKは保育器に収容されました。哺乳力も弱く母乳を吸い出せず、ミルクも時間をかけ飲ませました。未熟児並みの時間のかかり方だなあと、体重が増えないわが子に必死で飲ませていました。そして、出生時の病院では新生児スクリーニングはOAEでしたが、同僚に「おかあさん、リファーがでるー、自分でやってー」と言われ何回も施行しました。しかし、右がパスしても左がリファー、左がパスしても右がリファーとなかなか両耳パスが出ず、小児科の先生より仮死分娩だった事などもあり、一ヶ月検診時に市民病院でのABRの検査を進められました。時々、リファーがでるお子さんがいて、市民病院へ紹介された赤ちゃんの返書を読んだこともあった私は、わが子も大丈夫とたかをくくっていました。市民病院でABRを受けた結果は105dBでは反応があるけれど100dBでは怪しい、また、外耳道がとても狭いという診断結果でした。そして、人口内耳の手術と外耳道形成術の必要があるかもしれないと説明がありました。それから、金沢大学病院に紹介します。金沢大学病院には文字をたたき込む訓練があるので、そこで訓練が必要ですと言われました。何だか淡々と説明されましたが頭が真っ白で殆ど私の頭の中を素通りし、耳が聞こえないということが頭を占領し、泣き崩れてしまいました。帰りの車の中でショックで呆然としていた私は長年の親友に電話をしました。その時、その友人から「○○ちゃん、大丈夫、私の旦那さんの友達の子供がね、小さい時はお母さんと手話でお話してたのに、この前あったら普通にお話してて、私にも上手に話しかけてくれてね、私もびっくりした。性格もかわいくて、いい子やったよ、きっとKちゃんもそんな風になるよ、だって、○○ちゃんの子供やもん、大丈夫。旦那に言って、その人紹介してあげる、話し聞いてみたら?」といってくれました。そのお子さんは、金沢方式を頑張られたYちゃんでした。その後に家に帰ってから友人のご主人が耳鼻科のお医者さんだったのですぐその友人に電話をしました。その友人のご主人は「6ヶ月のABRでほぼ聴力は決定するけど、どこにかかってるの?金大?なら大丈夫、人工内耳も金大で手術できるし、耳の専門の医者が一人、人工内耳を主に扱っているから、訓練も金大のやり方で行っているから金大でフォローしてもらいなさい。」と言われました。
そして、家族のかかりつけのK耳鼻科にも受診し相談しました。K先生も「能登谷先生に診てもらいなさい、金大には能登谷先生がいるから大丈夫、僕からもお願いしておくから」といって下さいました。私が信頼している全ての方に金沢大学病院を勧められ金沢大学病院を受診し、能登谷先生に出会い、みんなが勧めてくれた意味がわかりました。私に金大を勧めてくれた人達は、金沢方式と訓練を継続した結果がどうなるのかを知っていたのです。これは鈴木先生や能登谷先生が今まで尽力され、その指導に親子で取り組み頑張ってこられた先輩方の結果と歴史があるからだと思います。指導内容の根幹を先生方がしっかりと受け継ぎ伝え、その指導を受け自立した子供の将来を信じて努力する親子、どちらが欠けても金沢方式は続きません。すでに結果が出ている歴史ある金沢方式の存在に私は本当に感謝しています。能登谷先生をはじめ橋本先生、原田先生が聴覚障害者でも広い社会で過ごしていけるようにとお忙しい中ご指導してくれるお陰です。
金沢方式では、言語だけではなく親子関係の築き方をはじめ、子供との接し方や親としてのあり方など様々なことを教えていただき、何とかここまで来ることができました。脳性麻痺があり手話も出来ず発語もありませんでしたが、ここまでなんとか親子関係を築くことが出来ました。
麻痺があるからこそ、手話が出来ない子にこその金沢方式と重複障害を抱えるわが子にも救いの手をさしのべてくれた能登谷先生。指導の際には事細かに具体的で先生の引き出しの多さにいつも驚きました。なかなか進まない訓練に焦りや落ち込み精神的に辛かった私を少しでも出来るようになった所を見つけて励まして下さった事、本当にありがとうございました。先生の送り当番では先生とゆっくりお話しすることが出来、私とってかけがえのない時間でした。能登谷先生とお話しすることで「頑張ろう」という力が充電されたように思えます。感謝の思いでいっぱいです。
橋本先生には、焦る私に適切に指導くださり、ノートからKが興味を持っていることや発達状況を把握していただき、Kの目線に立って工夫することや注意することなど事細かに指導していただきました。「お母さんがイライラしたり不安だったりするとKちゃんに伝わるよ」と、私の精神状態にも気を配ってくださり、家庭での受験生の親のあり方など、Kの姉への関わり方や妻としてのあり方など大変沢山のアドバイスを下さったこと、本当に感謝しています。ありがとうございました。
福祉会館で一緒に勉強してくれたお友達やお母さん方、精神発達遅滞、知的障害、脳性麻痺など重複障害のあるわが子が様々なご迷惑をおかけし大変申し訳なく思っております。先日、Kがお友達のお菓子を触っていて「K!」と叱ろうとした所、他のお友達のお父さんから「違うよ、お友達のお菓子を拾ってあげてたんや」と教えていただきました。もしも、教えていただかなかったらKをこっぴどく叱るところでした。お友達のためにというKの優しい気持ちを無駄にするところでした。人の目があるということは、ありがたい事です。最近ではいろんなお友達のパパやおばあちゃんが周りで見守って下さいます。子供たちにとって、とてもよい環境だと感じます。いろいろな人達の助けがあって、ここまで続けてくることが出来ました。
Kは春から特別支援学校へ通います。主人と相談しKの能力を少しでも引き出してくれる所はどこ?金沢方式のやり方を理解し実践してくれる所はどこ?と考えて選択しました。ゆっくり発育発達していくKにとって、これからも訓練は必要不可欠です。ここで終わりではありません。ここからまた新たなスタートと思い頑張って行きたいと思います。最後になりましたが、お忙しい中、ここまでご指導くださった能登谷先生、橋本先生ありがとうございました。道半ばのKと私ですが、これからもここでご指導くださりますようお願いいたします。


本書をご希望の方は、書籍の案内をご連絡下さい。

ページトップへ↑

main_bot.png